2026年7月の終わりごろ、SNSを眺めていたら、自分のショップのアイコンが、知らない人のプロフィール画像として使われているのを見つけました。最終的に見つかったのは、全部で4件です。
そのアイコンは、イラストレーターさんに有料で描き下ろしていただいたオリジナルイラストです。お店の顔として、サイトにもショップにもSNSにも使ってきました。それが、自分とはまったく関係のないアカウントの顔になっている。見つけた瞬間は、頭が真っ白になりました。
この記事は、そのときに私がやったことと、あえてやらなかったことの記録です。専門家の解説ではなく、「私の場合はこうでした」という体験談として読んでいただければと思います。
先に結論を書いておくと、数日のうちに4件すべてで、私のアイコンは使われなくなりました。誰も攻撃せず、誰も晒さず、イラストレーターさんにも負担をかけずに終わらせることができました。
同じことが起きたときに、「怖い」で止まってしまわないように。順番どおりに動けば落ち着いて対処できる、ということが伝わればうれしいです。

何が起きたのか
最初に気づいたのは、2026年7月30日ごろでした。Threadsを見ていたら、たまたま自分のアイコンが目に入ったのです。1件見つけて、その流れでもう1件。この時点で2件でした。
さらに8月1日、Threadsの「アクティビティ」を開いたら、あと2件見つかりました。アクティビティというのは、画面の下にあるハートのマークのところです。自分をフォローしてくれた人や、いいねをくれた人が一覧で並びます。そこに並んでいるアイコンの中に、自分と同じ絵が2つあった、という見つかり方でした。これで合計4件です。
同じ立場の方にお伝えしたいポイントです。アクティビティ欄は、特別な操作をしなくても見られる場所にあります。ときどき開いて眺めるだけで、自分のアイコンが使われていないかを確認できます。私も、ここを見ていなければ残りの2件には気づけませんでした。
InstagramとThreadsは、プロフィール画像が別々です
もうひとつ、気づいたことがあります。
4件のアカウントは、Instagram側では別の画像を使っていました。ThreadsはInstagramと同じアカウントで使えますが、プロフィール画像はそれぞれ別々に設定できる仕組みになっています。
つまり、Instagramを見て「違う画像だから大丈夫」と思っても、Threads側では自分の画像が使われている、ということが起こりえます。両方を確認したほうが確実です。
最初にやってしまったこと
ここは正直に書きます。
見つけた直後、私は怖さと怒りと不安でいっぱいのまま、最初の1件に対して反射的に「なりすまし」の通報をしました。証拠を残すとか、権利関係を確認するとか、そういうことは何も考えていませんでした。冷静な判断ではなく、感情でボタンを押しました。
あとから振り返ると、順番を間違えていました。通報が通ると、相手のプロフィール画像は消えます。消えてしまってからでは、「たしかに使われていた」という証拠が残りません。
とはいえ、これを読んでいる方に「落ち着いて行動しましょう」とだけ言うつもりはありません。自分の大事にしているものが勝手に使われていたら、動揺するのが当たり前です。感情で先に動いてしまっても大丈夫です。
ただ、ひとつだけ順番を守ってください。証拠を先に保存する。これだけです。
まずやったこと:証拠を残す
深呼吸してから、私が最初にやったのは記録を残すことでした。保存したのは次の5つです。
- 相手のプロフィール全体のスクリーンショット
ユーザー名と画像が1枚の中に入るように撮ります。画像だけを大きく撮っても、「誰が使っていたか」が分からないと記録になりません。 - 相手のプロフィールのURL
文字でもメモしておきます。 - 見つけた日付
あとから「いつの話ですか」と聞かれたときに答えられるようにしておきます。 - 自分が持っている「原本」の画像ファイル
納品してもらったときの元データです。 - 依頼したときの取引記録
いつ、誰に、いくらでお願いしたかが分かるものです。
証拠は、使わずに終わればそれでいいものです。でも、必要になったときに「撮っておけばよかった」となるのが一番つらいので、5分で終わる作業として先に済ませました。
やらなかったこと(ここが一番大事です)
やったことよりも、やらなかったことのほうが手ごたえがありました。
相手に直接連絡しない
DMも、コメントも、「やめてください」の一言も送りませんでした。正しいことを言っているつもりでも、相手にどう受け取られるかは分かりません。言い返されたり、こちらが逆に通報されたりすることもあります。相手がどんな人なのかも分からない状態で、個人対個人のやり取りを始めるのはリスクが大きいと考えました。
運営を通して判断してもらうほうが、安全ですし、確実です。感情のやり取りにならずに済みます。
相手のアカウント名を公開の場で晒さない
「こういう人がいます」と名前を出して注意喚起したくなる気持ちはあるかもしれません。でも、おすすめできません。
なぜなら晒した側が加害者になってしまうことがあるからです。事実であっても、公開の場で個人を特定できる形で名指しするのは、別の問題を生みます。この記事でも、相手のアカウント名やユーザー名、スクリーンショットは一切載せていません。
それに、相手が悪意を持っていたとも限りません。ネットで見かけた画像を、深く考えずに保存して使っただけ、ということも十分にありえます。私は相手を責めたいわけではなく、ただ「自分のアイコンを自分のものとして使いたい」だけでした。
すぐにブロックしない
これは見落としがちだと思います。
ブロックすると、相手のプロフィールが自分から見えなくなります。すると、画像が消えたかどうかを確認できなくなります。私は経過を見守りたかったので、ブロックは後回しにしました。
自分のアイコンの権利は、誰が持っているか
次に確認したのは、「このイラストの権利は誰が持っているのか」でした。
私のアイコンは、イラストレーターさんに有料で描いていただいたオリジナルイラストです。ここで大事なのが、外注したイラストは「著作権譲渡」が契約に含まれていたかどうかで、自分の立場が変わるという点です。
- 譲渡あり → 権利者は自分。自分で著作権の申し立てができる
- 譲渡なし → 権利者は制作者さん。自分は「使わせてもらっている側」
多くの依頼サービスでは、著作権譲渡は別料金のオプションになっています。私は付けていなかったので、権利者はイラストレーターさん側でした。
「お金を払って描いてもらったのだから自分のもの」と思い込んでいたので、ここを確認しておいてよかったと思っています。
今すぐ確認しておきたい3つのこと
- 依頼したときの見積の内訳に「著作権譲渡」の項目があるか
- 納品された元データを手元に持っているか
- 依頼したときのやり取りの画面が残っているか
特に3つ目は要注意です。依頼サービスのやり取り画面は、取引が終わってしばらくすると見られなくなることがあります。納品物と取引記録は、まだ見られる今のうちにスクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。何かあってから探しても、間に合わないことがあります。
逆画像検索で「拡散元」があるか調べる
次にやったのは、自分のアイコンがネット上のどこかで配布されていないかを調べることです。
使ったのはGoogleレンズという、画像で検索できる機能です。「この画像と同じものが、ネット上のどこにあるか」を探してくれます。
パソコンからのやり方は2つあります。
- images.google.com を開いて、カメラのマークから自分の画像をアップロードする
- ネット上に載っている自分の画像を右クリックして、「Googleで画像を検索」を選ぶ
結果が出たら、「完全一致」のタブを見ます。ここには、まったく同じ画像が使われているページが並びます。
見方はシンプルです。
- 自分のサイトやSNSしか出てこない → 配布元はない。相手が個別に画像を保存して使っただけなので、無限に増えていく心配は低い
- フリー素材サイトやまとめ記事が出てくる → そこが拡散元。個別に通報していくより、まずそこを止めるほうが根本的な解決になる
私の場合、完全一致は4件すべて自分のサイト・ショップ・ブログ・SNSでした。配布元は0件です。
これが分かったとき、かなり気持ちが楽になりました。「知らないところで素材として配られていて、これからも増え続けるのでは」というのが一番怖かったからです。調べれば分かることでした。
プロフィールを整えて「公式」を示す
やったことの中で、いちばん効いた実感があるのがこれです。私は自分のプロフィールに手を入れました。
- 自己紹介欄に「このアイコンは当店のために描き下ろしていただいたオリジナルイラストです」と明記した
- 公式サイトとショップのURLを、プロフィールの「リンク」欄に入れた
- 表示名の表記ゆれを直した(ブランド名のつづりが1文字ちがっていました)
なぜこれをやったのか。理由は3つあります。
- 運営が「どちらが本物か」を判断するときの材料になる
- お客様が、偽物と本物を見分けられるようになる
- 自分の側に投稿も自己紹介もない状態だと、相手のアカウントのほうが「ちゃんと実在するアカウント」に見えてしまう
3つ目は、あとから気づいたことです。中身が空のアカウントと、きちんと運営されているアカウントが並んだとき、どちらが本物らしく見えるかは中身で決まります。守るというより、自分の側を整えるという感覚に近いです。
補足として、Threadsの自己紹介欄は150文字までです。短いので、URLを自己紹介の中に書くと文字数を圧迫しますし、クリックできる形にもなりません。URLは自己紹介ではなく「リンク」欄に入れると、クリックできるリンクとして表示されます。
運営への通報について
通報の手順そのものは簡単でした。相手のプロフィールの右上にある「…」→「報告する」→「なりすまし」→「自分の会社・ブランド」の順に選びます。無料で、匿名で、数分で終わります。
もうひとつ、「著作権侵害の申し立て」という方法もあります。複数のURLをまとめて出せますし、効き目も強いと言われています。ただ、私はこちらを選びませんでした。理由は2つです。
- 申し立てができるのは、著作権を持っている人です。私の場合は制作者さんでした
- Metaは、申し立ての内容(申立者の氏名や連絡先を含む)を相手方に伝えることがある、と案内しています
つまり、私が申し立てをお願いすると、制作者さんに個人情報のリスクを負わせることになります。自分のアイコンを守るために、描いてくださった方に負担をかけるのは違うと思いました。
そこで私は、自分でできる「なりすまし通報」と「プロフィールの整備」から始めることにしました。
実際に通報を出したのは、最初に見つけた1件だけです。残りの3件は、手順を整えている途中に解決してしまいました。
結果
数日のうちに、4件すべてでアイコンが使われなくなりました。最初に通報した1件は、プロフィール画像が真っ黒(何も設定していない初期の状態)に変わっていました。
ただ、なぜ消えたのかは断定できません。通報が通った、相手が自分で外した、プロフィールの明記を見て外した、たまたま変更しただけ。そのどれもありえます。分からないことは、分からないまま書いておきます。
確認のコツをひとつ。スマホは一度見た画像を覚えていることがあります(キャッシュといいます)。実際は変わっているのに古い画像が表示され続けることがあるので、パソコンや、ログインしていない状態のブラウザで見ると本当の状態が分かります。私も一度「まだ消えていない」と焦りましたが、パソコンで見たら変わっていました。
いちばん不安だったこと
最後に、描いてくださったイラストレーターさんに連絡しました。
意識したのは伝え方です。「困っています、助けてください」ではなく、「こういうことがありました。対応は済んでいます。ご負担はかけません」という報告の形にしました。
先に自分から伝えたことで、あとから偶然見つけて誤解される、という事態も防げました。報告のときは、正規の使用先、つまり公式サイト・ショップ・SNSのURLを一覧にして添えました。相手が自分で状況を確認できるので、安心してもらえます。
結果、「大切にしてくださってありがとう」と温かい返事をいただきました。
実は、この出来事でいちばん不安だったのは、アイコンを使われたことそのものよりも、制作者さんからの信頼を失うことでした。でも先に報告したことで、むしろ関係が深まったように思います。
まとめ:チェックリスト
同じことが起きたときのチェックリストです。上から順に進めれば大丈夫です。
□ 証拠を先に保存する(スクリーンショット・URL・日付)
□ 相手には絶対に直接連絡しない
□ ブロックはすぐにしない
□ 相手のアカウント名を晒さない
□ 自分のアイコンの権利が誰にあるか確認する(著作権譲渡の有無)
□ 依頼時の取引記録は、消える前にスクリーンショットで保存しておく
□ 逆画像検索で拡散元があるかどうかを調べる
□ プロフィールに「オリジナルです」と明記し、公式URLをリンク欄に入れる
□ 通報は「なりすまし」から。著作権の申し立ては、申立者の氏名が相手に伝わる可能性がある点に注意
□ 制作者さんがいる場合は、解決してから「報告」として伝える
見つけたときは本当に怖かったですが、やることを順番に並べてみれば、ひとつひとつは難しくありませんでした。この記事が、同じ場面に立ってしまった方の役に立てばうれしいです。
※この記事は私自身の体験をまとめたものです。法律に関わる判断については、専門家にご相談ください。

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